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映画「HOKUSAI」公開記念<大波トークイベント>!

柳楽優弥主演映画「HOKUSAI」の公開記念<大波トークイベント>が5/13(木)江戸東京博物館 大ホールにて行われ、田中泯さんと共に柳楽が登壇した。

代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が2020年2月に新たに刷新された新パスポートや2024年度から使用される千円札のデザインに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト・葛飾北斎。19世紀にヨーロッパでジャポニズムブームを巻き起こし、マネ、モネ、ゴッホ、ゴーギャンなど数々のアーティストに影響を与え、西洋近代絵画の源流となった世界で最も有名な日本人で、米LIFE誌“この1000年で偉大な功績を残した100人”にも唯一の日本人として選ばれている北斎の知られざる生涯を初めて描く同作がいよいよ公開される。

この日は、W主演として、葛飾北斎役を演じた柳楽(青年期)と田中泯さん(老年期)が揃って、北斎生誕の地・東京・墨田区にある江戸東京博物館にてイベントを開催。約1年の公開延期を経て、5/28(金)に公開を迎える今の心境を、「1年越しではありますが、こうして公開することができたことを、嬉しく思っています。今まで経験したことのない延期という状況に戸惑いもありましたが、こういう時代中であるからこそ、『HOKUSAI』という映画が持つ力強さ、生き様、北斎自身の強靭なエネルギーをこの映画を通して皆さんに伝わると嬉しいです。」とコメント。

イベント前に、江戸東京博物館所蔵の「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」を含む貴重な北斎作品を鑑賞した柳楽と田中さん。柳楽は、「これだけの名作の本物が集結しているという状況にただただ圧倒されてしまいました。1つの作品を描くのにものすごいプロセスや時間を経て描かれたものだということを知り、素晴らしい傑作を見ることができて、とてもパワーをもらいました。同作のプロモーションでは葛飾北斎が残した様々な本物の作品をめて見ることができ、とても嬉しいです!」と笑顔を見せると共に、「90年という生涯を通して絵を描くことに没頭し続けて、70歳になってもまだ満足していないという生き様をかっこいいと思いました。(田中)泯さんも10代から踊りをずっと続けられていて、1つことに向き合い続けて活躍されている大先輩の方たちを見ると勇気をもらえます。」と北斎の作品を目の当たりにして、北斎の絵に懸ける情熱を感じとった様子を語った。

この日は、世界に向けて日本の文化と思想を発信する活動を続ける書家/芸術家の紫舟さんがゲストとして登場。2014年にフランス・ルーヴル美術館地下会場で開催されたフランス国民美術協会展にて「北斎は立体を平面に、紫舟は平面を立体にした」と評され、最高位である審査員賞金賞を受賞した他、アメリカやイタリア、スイス、スウェーデン、エジプトなど各国で作品を展示し、世界に向けて日本文化と思想を発信する活動を続けている紫舟さん。心に残っているシーンのひとつとして、青年期の北斎がよれよれの筆を握りしめて涙を流す場面をあげ、「青年期の北斎の情報がなくて、謎が多いんです。演じる上ではとても大変なのですが、いち北斎ファンとしては、アーティストっぽくてカッコイイと思いました。絵で自分を表現しているので、そこにパーソナルな情報は必要がないんだなと。今回演じる上でいろいろと調べたり、橋本一監督とコネクトして「HOKUSAI」ならではの葛飾北斎役を演じることができたと思うので、そのように言っていただいて嬉しいです。」と話した。

イベント終盤では、紫舟さんが柳楽と田中さんが客席で見守る中、「HOKUSAI」をテーマに全長2mを超える和紙に「大波」を描くライブパフォーマンスを行った。間近で見て柳楽は、「圧倒されました、生き抜けという言葉はこの時代に響く。北斎を通して生命力を感じます。」と絶賛した。

MCより紫舟さんへ“北斎は天才だと感じているか?”という質問があがり、紫舟さんの“天才だとは思わないが、常識とか美術のルールといった制約にいっさい流されず、自分を縛るものすらからも解放し続けた、自己解放ができた方だと思う”という答えを受け、「僕も俳優をやらせていただく中で、制限や常識だけにとらわれていたら良くないなと感じました。自分に正直になったり、反骨精神といった感情は、自分らしく生きるという意味でも生命力に繋がるのかなと思いました。」と自論を展開した。

そして最後に、「本当に大変な状況ではありますが、この映画を通して、北斎の様に強い生命力を持つことや「生き抜く」という力強さを感じることができました。北斎のメッセージは今の時代にとって必要なことであると今日のイベントを通して改めて実感しました。劇場でぜひご覧ください。」とメッセージを送った。

映画「HOKUSAI」は、5/28(金)全国ロードショー。
ぜひご期待ください!

【ストーリー】
何があっても絶対に諦めず、描き続けた、その先にー。
腕はいいが、食うことすらままならない生活を送っていた北斎に、ある日、人気浮世絵版元(プロデューサー)蔦屋重三郎が目を付ける。しかし絵を描くことの本質を捉えられていない北斎はなかなか重三郎から認められない。さらには歌麿や写楽などライバル達にも完璧に打ちのめされ、先を越されてしまう。“俺はなぜ絵を描いているんだ?何を描きたいんだ?”もがき苦しみ、生死の境まで行き着き、大自然の中で気づいた本当の自分らしさ。北斎は重三郎の後押しによって、遂に唯一無二の独創性を手にするのであった。
ある日、北斎は戯作者・柳亭種彦に運命的な出会いを果たす。武士でありながらご禁制の戯作を生み出し続ける種彦に共鳴し、二人は良きパートナーとなっていく。70歳を迎えたある日、北斎は脳卒中で倒れ、命は助かったものの肝心の右手に痺れが残る。それでも、北斎は立ち止まらず、旅に出て冨嶽三十六景を描き上げるのだった。そんな北斎の元に、種彦が幕府に処分されたという訃報が入る。信念を貫き散った友のため、怒りに打ち震える北斎だったが、「こんな日だから、絵を描く」と筆をとり、その後も生涯、ひたすら絵を描き続ける。描き続けた人生の先に、北斎が見つけた本当に大切なものとは…?
今だから、見えるものが、きっとあるー。