「映画 太陽の子」公開記念舞台挨拶!
柳楽優弥主演「映画 太陽の子」が8/6(金)公開初日を迎え、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた舞台挨拶に柳楽が登壇した。
太平洋戦争末期に存在した「F研究」と呼ばれる“日本の原爆開発”。同作は、その事実を基に、時代に翻弄されながら全力で駆け抜けた若者たちの、等身大の姿を描いた青春群像物語。
監督・脚本は「青天を衝け」など多くの話題作を手がける名手・黒崎博。音楽にはアカデミー賞R5部門ノミネートの『愛を読むひと』のニコ・ミューリー、サウンドデザインに『アリー/ スター誕生』のマット・ヴォウレスと、ハリウッドスタッフが続々と参加した。
1945年の夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修(柳楽優弥)と研究員たちは原子核爆弾の研究開発を進めていた。研究に没頭する日々の中、建物疎開で家を失なった幼馴染の朝倉世津(有村架純さん)が修の家に居候することに。時を同じくして、修の弟・裕之(三浦春馬さん)が戦地から一時帰郷し、久しぶりの再会を喜ぶ3人。ひとときの幸せな時間の中で、戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、一方で物理学に魅了されていた修も、その裏側にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。そんな二人を力強く包み込む世津はただ一人、戦争が終わった後の世界を見据えていた。それぞれの想いを受け止め、自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、運命の8月6日が訪れてしまう。日本中が絶望に打ちひしがれる中、それでも前を向く修が見出した新たな光とは――?
柳楽は、京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修を演じている。 海軍から原爆開発の密命を受けた京都帝国大学の学生で、原子物理学を志す科学者。「実験バカ」と呼ばれるほど情熱的に研究に没頭する一方で、その研究がもたらすであろう恐ろしい結末を思い、葛藤する。また、幼なじみの世津に密かに想いを寄せている、という役どころ。
上映後に行われた舞台挨拶にて柳楽は、「本日はありがとうございます。二年前に撮影を行って、いよいよ初日を迎えられて、皆さんにお届けすることができて本当に嬉しく思っています。」と挨拶。
有村架純さん、三浦春馬さんとの共演を振り返り、「本当にたくさんの思い出があるのですが、三人でとか、監督たちと一緒に食事に行ったり、撮影をしていないときも距離感が役柄に似ているような感じで、印象に残っていることがたくさんあります。中でも、川沿いを僕と春馬君が一緒に走っているシーンがあったと思うのですが、あそこは春馬君がすごくタフで、僕がなかなか追いつけなかったというのがキャラクターとリンクして、僕の中ですごく好きなシーンでした。」と語った。
続いて、スクリーンに同作の場面写真が投影され、そのシーンのエピソードトークをすることに。
はじめに、“修が黒板をはみ出して壁やガラス戸にまで数式を書き連ねるシーン”について、撮影当日に台本が渡されたといい、「僕だけではなくて研究生みんなが黒板に数式を書いているシーンがあったと思うのですが、その数式を、朝に“よし、覚えられるかな”と監督から渡されて(笑)、頑張って覚えていきました。書き方にも京大生の(数式を)日々書いているような慣れが出るみたいで、そういうところも監督から教えていただきました。」と明かした。
“修、世津、裕之の海辺でのシーン”については、「京丹後の海の色が本当に綺麗で、特にお昼は脱いで海に入りたくなってしまうくらい綺麗でした。このシーンは、込み上げているものが爆発する前だと思うので、楽しかったなという印象が強いです。朝方の海辺のシーンではまた違う緊張感がありました。」と振り返った。
“再び戦地に向かう裕之を母親・フミ(田中裕子さん)が見送るシーン”は、「裕子さんの演技はもちろんですが、やはり春馬君の雰囲気というのは素晴らしいと思いながら見ていました。あと、小説を読まれていると分かると思うのですか、修と裕之は腹違いの兄弟という設定なので、ただ応援しているという気持ちよりも、複雑な心境で見ていました。また、このシーンだけではないのですが、“こういう気持ちになって挑もう”というシンプルな心理状態ではないところが後半になるにつれて多かったなという印象です。」と語った。
この日は、劇中で修が心の中で問答して対話するシーンがあるが、その声の主である、アルベルト・アインシュタイン役(声の出演)のピーター・ストーメアさんからの手紙が読み上げられる一幕も。
柳楽は、「ピーターさんが出ている作品が好きだったので、声だけでも共演できたことがすごく嬉しかったです。お手紙の“学びから前向きな明るい未来を作っていくんだ”というコメントにもさらに痺れました。」と話した。
そして最後に、「この映画があるということがとても大事だと感じます。今日広島で行われた式典での小学生のスピーチがとても印象に残ったのですが、“本当の別れは、会えなくなることではなく、忘れてしまうこと”とおっしゃっていて、すごく印象的でした。それは個人に対しても、歴史に対しても、忘れていくということが一番怖いと感じました。こういう風に映画を通して皆さんに伝えられているというのは、改めて平和への第一歩なのかなと思いました。本日はありがとうございました。」とメッセージを送った。